劇的BEFORアフター

こんにちは。建築屋kateiの朝倉です。
今回ご紹介するのは、リノベーション工事をさせて頂いた物件です。

見学会の際にも、「リフォームとリノベーションの違いってなんですか??」
とよく聞かれます。

はい、一般的には「リフォーム」というのは、悪くなった部分を取り替える事を指します。
※例えば、トイレが壊れたから、洗面台が古くなったから、お風呂が古くなったから取り替える。
こんな感じですね。

対して「リノベーション」は、悪くなった部分の交換はもちろんのこと、さらにより良い暮らしへとグレードアップさせる事を意味します。

弊社の得意なのは、この「リノベーション」。
なぜなら、リノベーションの提案にはそれ相応の設計知識と施工技術がなければ提案できないからです。
トイレや洗面台の交換だけなら、〇〇リフォーム店や家電量販店の方が格安の時代です。汗

さて、今回携わらせれて頂いた物件は、築40年ほどの鉄骨3階建の物件。

下のビフォー写真を見て頂いてもわかるように、一階の部分は間仕切りで区切られており、開放感とは無縁の空間でした。

そして何より、床にも壁にも断熱材が入っていない、無断熱住宅だったので夏は暑く、冬は寒いという温熱環境的には劣悪な環境になっていました。

既存の窓も単板ガラスのアルミサッシで、昔から日本で使われている断熱性能は非常に低いサッシでした。
部屋も暗く、どこかどんよりしている空間のイメージがありました。

また、鉄骨造という事もあってか、少し無機質で素材の温かみがそんなに感じられない雰囲気の建物でした。
今回のリノベーションのポイントをまとめるとこんな感じ。

①コスト優先、1階はフルリノベ(温熱改修あり)、2階は改装程度(温熱改修あり)、3階は悪い所のみ(温熱改修なし)
②木のリノベ、意匠性、機能性の向上
③開放感を実現する
④温熱環境を改善する

3階部分はメインスペースから外す事で、コストを抑え、また温熱的目線から見ても3階フロア自体がクッションの役割を果たしてくれるので、屋根断熱などの改修を行わなくても下の2階や1階は、暑さが和らぎます。

メインの空間を1階に計画し、間仕切りなどを取り払い、ワンルームのようなLDK空間を計画しました。

もともとお風呂などの水廻りは2階にありましたので、コストを考えて大掛かりな位置変えなどはせず、設備のみ交換を予定しました。

実際に完成した様子がこちらです。

某テレビ番組風に表現すると、

なんということでしょう‥。間仕切りで薄暗く区切られていた一階が、一つの空間として開放的に温もり豊かな空間に変わったではありませんか〜?

という感じです。

間仕切り壁を全て無くしたことで、約16畳ほどのワンルーム空間になります。

右奥に見えるのは、玄関ですが、造作ソファと入り口を造作下駄箱が緩やかに仕切り、玄関側からは開放感を、ソファ側からは奥まった安心感を演出します。

玄関扉も高気密高断熱のドアに改修し、寒さや暑さを和らげます。

写真奥には、階段スペース、トイレスペースがありますが、真ん中の間仕切り家具収納が程よい目線隠しの役割を果たします。天井まであえてつくらず奥行き感を演出します。

間仕切り家具収納は4面機能があり、玄関側は衣類、キッチン側は食器類、階段側はリモコンニッチ、ダイニング側はカウンター収納と様々な機能性を有しております。

一見簡単そうに見えるかもしれませんが、コンパクトな空間で広さや機能性、意匠性を考慮するのは様々な工夫が必要です。

弊社の得意な造作家具をフル活用し、それぞれの場所の寸法をピッタリつくります。
キッチンは定番の大工造作キッチンですが、今回はラワン材仕様です。

年々、少し深みのある色目へと変化していきます。
造作壁付けキッチンの特性を活かして、壁面をフル活用しております。

もともとオーナー様も、見せる調味料や家具、キッチン用品などを賑やかに飾っていく形のキッチンが好みということもあり、空間の使い方も理にかなっております。

ソファスペースは、既製品とせず、こちらもピッタリサイズの造作ソファで提案させて頂く事で、空間を少しでも効率的にまた雰囲気良く利用することができます。

奥行きも少し広めにつくってあるので、簡易ベッドにもなります。
ソファの下は引き出し収納にもなっており、少しでも収納スペースを確保できるようにしております。

お子さんが小さいうちは難しいかもしれませんが、ソファのサイドテーブルにはお気に入りの間接照明などを設えて頂くと雰囲気も良い感じです。

温熱改善の様子も少しご紹介いたします。
こちらは一階リビングの掃き出し窓のサーモカメラの様子。

撮影時は7月初旬。
外気温は熱中症アラートが出る日でした。汗

この下の写真は内窓を開けて、元々のアルミサッシの状況写真。
窓の部分が真っ赤になっていることがわかります。

窓中心温度も37度くらいになっていますね。
フレームは40度超えてます。やばいです!

実際に開けた時は熱気をムンっと感じます。

そしてこちらの下の写真が、内窓を閉めた様子。

先ほどと比べて窓部分の温度が約9度ほど下がっていることがわかります。
窓に近づいても暑さの嫌な感じがしません。
フレーム部分も30度を少し超えるくらいまで下がっております。

実際に見学されたお客様も、この差をびっくりされておりました。

内窓で窓改修するメリットは、温熱だけでなく、気密性も向上しますので、音漏れが激減します。

室内側は本当に静かです。
温熱改修の際には、窓廻りの検討は欠かせません。

今までは無断熱だった為、差を感じて当然ですが、壁や床だけやって窓を手を抜くのもダメですし、反対に窓だけやって壁や床が無断熱のままでもダメです。

全てはバランスが大切ですね。

そして今回の物件のリノベーションでも、木などの素材感を大切にさせて頂きました。
年々経年美化され、味が深まる住まいになったと思います。

出来上がりはオーナー様にも大変気入って頂け良かったです。
以前のビフォーを知っているので、余計にアフターの凄さが伝わったようです。

新築だけでなく、リノベーションの良さも少しでも伝わればいいなぁと思います。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。

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後悔させない家づくりを

建築屋kateiは、豊橋市を拠点に高気密高断熱で設計力と素材感、現場力にこだわり、『愛着の湧く家』を提案している設計事務所+工務店です。
デザイン、性能、コストのバランスを意識した家づくりでご家族のライフスタイルに合わせた豊かな暮らしをご提案いたします。
私たちは、お客様との対話や家づくりの過程を大切にし、一つひとつ丁寧につくり上げています。そのため、資料請求やパンフレットはご用意していませんが、実際の家の見学会や相談会、イベントなどを定期的に開催しており、お客様に特色をお伝えすることができます。
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