こんにちは。建築屋kateiの朝倉です。
今回は以前、高性能フルリフォーム工事をさせて頂いた物件にて、気密測定を実施した際の様子をご紹介したいと思います。
皆さんリフォーム工事でしっかりと気密性能のある住宅ができるのか気になりませんか?
そもそも気密測定自体、各現場ごとに大きさもつくりも違う為、現場にて実際に測定しなければどういう状態になるのかもわからないものです。
特にリフォーム工事の場合、施工規模や範囲によって実際に性能を出せるかどうかは大きく左右されます。
今回の物件では大規模フルリフォームの二世帯住宅でしたので、高性能リフォーム前提の中で気密性能も必然的に向上させていく目標でいくと決めていました。
新築ではないのでね〜、いくらフルリフォームと言っても施工の方法や設計上でも工夫(耐震の仕方など)していかないと単純にはいきません。
今回は築30年程の物件でしたのでまだ良かったですが、既存の建物の狂いの程度(※柱の傾きや躯体の劣化)も施工性には重要になってきます。
今回の測定は工事中間期での実測になります。
弊社が工事途中の際に測定を実施する理由は、まぁ要するに言い方が良くないですが、粗探しですね。
施工には自信があるのですが、やっぱり人間の仕事なので万が一があります。
そういった確認の意味も込めて中間期に実施をしております。
ちなみに中間期に気密測定を実施する場合は、水道、電気屋さん等の外部との貫通工事処理やコンセントスイッチボックスなどの防湿層などの取り合い工事が全て完了してからの状態で依頼します。
これポイントです。
じゃないと中間期測定の意味ないですからね〜(・・;)
測定した後にそういう際どい所の工事してしまうと、その後万が一ミスがあっても気づけません。
これは新築の際も一緒です。
はい、では実測開始です!!
冒頭の写真のような装置を窓に取り付けて、簡単に言いますと空気をだんだん抜いていきます。
そうすると建物内部の圧が下がり、建物周りの隙間から外の空気が入ってくるわけです。
それがいわゆる余計な隙間になる訳です。
その時に活躍するのがコチラ!!
隙間風発見装置!!笑
すいません、そんな名前の装置はありませんが微量の風量を測定できる機械であることは間違いありません。
空気を抜いている間これで隅々までチェックです。
これで測ると微妙にやっぱり空気が入っているところがわかるんですよ。
今回は二世帯住宅ということで親世帯側の玄関で引戸を採用しておりまして、やはりそこから空気が多少入ってきますね。
二世帯で窓も若干多いですし引き違い窓も6箇所はついています。
利便性は高いですが、気密性には若干不利ですかね。
さて。。。気になる結果は?
これが実際の測定結果ですが、C値=0.6。
うん、良いですね。
築30年以上でリフォーム、しかもグラスウール断熱でこの数値であれば上出来じゃないでしょうか。
弊社の大工たちも一安心です。
試しに、玄関引戸の部分の空気の出入りを確かめるためこんな事をしてみました。
引戸をフィルムで覆い目張りしてから建物の空気を抜くと、見てください。
明らかにフィルムが膨らんでおります。
それだけ隙間から空気が入ってきているという事です。
まぁわざとわかるようにやってますのでね、体感ではそこまでは感じませんが。
ちなみにこの引戸を塞いだ状態で再度測定すると。。
結果はC値=0.5。
それだけ開口部(窓)は性能数値の上ではポイントという事ですね。
よく巷では引違窓や引戸は気密性能出すために悪だ!という業者さん見えますが、私はそうは思っておりません。
やっぱり引戸の方が使いやすかったり、利便性があったり良い所は沢山ありますので。
性能数値だけにとらわれるとそんな発想になってしまうのかな。
もちろん考えて選択しないとダメなのは確かなんですが、一方的な意見はよく無いですよね。
バランスやメリハリが大切だと思っております。(^^)
今回の測定の目的である、躯体周りの余計な隙間のチェックや、万が一の大きなミスはチェックする事ができたので良かったです。
しっかりと施工をすればリフォーム工事でも気密性能を確保する事は出来る事を証明できました。
今回は気密測定のご紹介でした。
また次回も宜しくお願い致します。