建築の舞台裏【弊社自慢の大工工事】

こんにちは。建築屋kateiの朝倉です。
さて今回は内部の造作工事の様子をお届けいたします。実際にはすでに完成してしまっているのですが、お馴染みのタイムラグ投稿をしておりますので、ちょっと昔の話になります。すいません。

大工のよしくんがサッシの窓枠を取り付け用としています。弊社では窓枠材にはよく杉の無垢枠を採用することが多いです。
杉は比較的安価で加工しやすく、色目をつける際にも塗装ノリがいいですのでよく使います。写真は窓枠を四方に組み立ててからはめ込む様子です。

今回の物件のメイン開口部分。
入隅のコーナー部分が特徴的で、中の窓枠もコーナーで綺麗におさまるように工夫しています。
角をピシっと合わせるように計算して加工して取り付けています。

こういう細部の収まりにはこだわっています。
手間のかかる作業でもこういった、小さな努力がデザインをすっきり見せるためのポイントになります。

上の部分もピタッとできています。

場面は変わって弊社の作業場に移りました。
今回の物件のメイン開口部には、屋外側にガラリ戸を仕込みます。
その材料をウッドロングエコで塗装をしております。
弊社ではこういった作業もできる限り大工で行います。

大工のよしくんがウッドロングエコ塗装用の箱を作りました。
これはドブ漬けという塗装手法で、ウッドロングエコのメーカー推奨の塗装方法になります。
こうすることで、沢山の木材をムラなく効率良く塗装することができます。

塗装が完了して乾かしたら、早速取り付けに入ります。
APW430の樹脂窓に取り付けるので、下地を補強しつつ、丁寧に取り付けを行なっていきます。

屋外のコーナー部分もピシッとできるように収まりを考えます。
ウッドロングエコは、通常の塗装材と違って、基本的に塗り直しは行いません。
元々の木材本来の経年変化を促し、自然の風合いに変色をしていきます。

こちらは1階部分のパイプシャフト部分の様子。
パイプシャフトには、2階の水廻りの配管、電気配線、24時間換気の澄家の排気ダクトなどが入っています。人間でいう動脈みたいな部分ですね。

こういったスペースは設計段階であらかじめ配慮して、邪魔にならないスペースに作るように心掛けます。
後からではスペースの確保ができないので、初めから考えていないと大変なことになります。汗
今回は洗濯機の裏のスペースに若干の空いたスペースがありましたので、そちらを利用しました。

2階のトイレ排水などがある場合には、排水の音などが1階に伝わらないように、配管工事も気を使います。
そもそも設計段階で、2階のトイレやキッチンの直下に寝室などを作らないように配慮が必要になりますが、プラスαで設備配管に防音工事を施す事も忘れてはなりません。

こういった防音処理をする事で、音の問題を軽減することができます。

防音排水管

内部の造作工事は、外周部分の石膏ボードを貼り終え、天井の下地と石膏ボードの工事に移っていきます。
リビングの天井は今回R天井という、緩やかにカーブのかかった天井デザインになりますので、下地もR天井に合わせて造作していきます。

内部造作工事

天井の石膏ボード張りも一工夫手間かけます。
天井はシラス塗りで仕上げますので、クラック等の防止のため、石膏ボードを二重で互い違いにはっていきます。

これでも完全にクラックが出ない保証はありませんが、出来ることは最大限やって万全を期す。
R天井、非常に手間がかかりますが、仕上がりが楽しみです。

天井石膏ボード張り

下の写真は、キッチン天井部分の下地組です。
150φのキッチンダクトを通しました。キッチンダクトには耐火被覆を巻き付けてあります。

さて、屋外側もじゃんじゃん進めています。

いよいよ杉板貼りを行なっていきます。まずは縦に杉板を貼ります。

そして次に、その釘部分を隠すように、板と板の間の部分に押え桟を打ち付けます。

押え桟は風合い良く真鍮釘で止めつけます。
弊社では杉板外壁をウッドロングエコ塗装する場合は、杉材の表面を少しザラザラに仕上げます。
こうすることで、表面積が若干に増え、乾きやすいと言われております。

ガラリ戸の戸箱も完成です。

上端と下端の枠にはガルバリウムで水切りを取り付け、ガラリ戸用に真鍮のノイズレスレールを取り付けてあります。
戸箱の鏡板も杉板のウッドロングエコ仕上げです。

内部の工事では、床材の仕上げに入っていきます。
今回のメインの床材は、赤松の無垢フローリングです。
松材は針葉樹に分類され、無垢材の中でも柔らかく、温かみがあり、板目が綺麗なのが特徴的です。

足触りが気持ちが良いだろうな〜。

1階の床材の一部はこの写真のような、ガラリ材が取りつきます。
この床のスリットから、澄家の給気と、床下エアコンの暖気を呼び込みます。
カラーは赤松フローリングに合わせて、ヒバ色を選択しました。

建具の枠を取り付けていきます。
弊社では、基本的に建具は全て造作で行います。
枠材の寸法や、収まりを考えて施工をしていきます。

大工工事もいよいよ大詰めです。
よしくんが造作家具の工事に入りました。

こちらは造作ソファーの骨組みです。
この出来上がった箱の上に特注のクッションを乗せて完成します。

こちらはリビングの畳コーナーの様子。
畳コーナーの下は、収納にするためにあらかじめ考えて組み立てていきます。

キッチンのサイド収納の骨組みが出来上がりました。
あとは引き出しを取り付ければ、完成になります。

弊社でも好評の大工造作キッチンの加工に入りました。
大工造作キッチンのいいところは、フルオーダーできる事、また価格を抑えやすい点になります。唯一無二のデザインをお客さんの要望にあった形でなるべく低価格でご提案することができます。

天板のステンレスをのせ、ボッシュの食洗機を取り付けました。
海外の食洗機は大容量ですので、人気の家事ラクのアイテムですね。
右側の空いたスペースは、お鍋やフライパンなどが置けるスライドラック、左側はオープンスペースでゴミ箱置き場になります。

吹き抜け階段の鉄骨手摺りも取り付けが完了しました。
グレーに見えるのは下塗りです。
今回は白色に仕上げ塗りをします。可愛いらしくなりますね。

工事と同時平行しながら、お施主様と造作ソファのクッションの打ち合わせを行いました。

お隣浜松市の黒田家具工房さんではこんな感じで、模擬ソファーでクッション材の感覚を確認することができます。
用途に合わせて高さやクッションの硬さ、人それぞれ好みがありますので感覚を確認できるのはありがたいですね。

実際に座って頂き、感触を確認していきます。

角度、高さ、硬さ、細かい事ですがこういった調整ができるのも造作ソファーのメリットになります。

同時にクッションの生地も最終確認していきます。

今回は少し茶系の系統から選んでいく事に。

良い感じの仕上がりになりそうです。

次回はいよいよ内装仕上げ編になります。
最後までご覧を頂きありがとうございました♪

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