建築の舞台裏【窓の取り付けも大工の仕事】

こんにちは。建築屋kateiの朝倉です。
今回は窓の取り付けについてご紹介したいと思います。

弊社でも採用が多い、高性能樹脂窓

価格もお手頃になり、外部の耐候性も飛躍的に上昇したため、全国的にも採用が増えてきております。
その樹脂窓の中でも、リビングやダイニング、メインの開口部分には掃き出し窓のような大きな窓を取り付けたいと思われると思います。

その大きな樹脂窓を取り付ける際には、実は注意が必要なんです。

断熱性、遮音性、気密性で多くのメリットがある樹脂窓は、昔のアルミサッシと比べ素材自体の強度はアルミニウムに劣るため、厚み(質量)を多くして強度を上げています。そのため、樹脂窓は厚みが出やすく、窓自体が重くなりやすいデメリットが発生します。

窓を取り付ける大工の取り付け方が悪いと、窓枠自体が垂れ下がり、開閉不良などを引き起こす原因になるのです。

そこで弊社では、大型樹脂窓施工の際はYKKメーカーさんによる取り付け講習を行うようにしております。
まずは紙面にて、みんなでマニュアルの説明を受けます。
今まで何度も聞いて実践しておりますが、復習も兼ねてます。

いよいよ取り付け実践です。
一箇所だけメーカーさんと一緒にやってみます。
今回扱う樹脂窓は横2.7m×高さ2.2mの大型の掃き出し窓です。

YKKさんの掃き出し樹脂窓は窓の下側に、垂れ矯正用の専用アルミアングルがついております。
ビスをしっかりと施行すると、窓の真ん中部分がわずか2mm程度自動的に上がってくる仕組みです。
そこにガラス障子を嵌め込むと、重量で2mmほど下がり、ちょうど水平になる仕組み。
よく考えられていますね。

窓の下枠の上がり状況を確認してもらっています。
バッチリ1.5mmほどの上がりを確認。
窓を取り付ける下地の施工の仕方が悪かったり、こういった意味合いを知らずに勘で大工が取り付けてしまうと、後から開閉不良等の原因が起こり、取り返しのつかない事態を招く恐れもあります。

続いて、左右と真ん中の高さを確認します。
枠に歪みがないか、無理に取り付けていないかなどをチェックします。

続いては横幅を上下と真ん中を確認します。

最後に対角線も確認し、最終チェックを行います。

メーカーさんに話を聞くと、掃き出し樹脂窓の開閉不良は、全国的にも多く発生してしまっているようです。

原因は明らかで、現場での窓枠の取り付けがしっかり行われていなかったり、大工が現場を急いでしまって確認を怠ったり、普段頻繁に開閉する窓だからこそ、気をつける必要があるのですが、そういった現場での意識の怠慢が原因だと思われます。

管理者である私も含め、それを取り付ける大工の現場力の向上は常日頃からポイントになっていきます。
こういった細かなポイントが家づくりにはたくさんあるんですよね。
HPやパンフレットからでは決して伝わらない部分をこれからもご紹介できればなと思います。

少しマニアックな内容でしたが、家づくりを考えられている皆様も、本来お客様が気にする部分ではないのですが、施工を安心して任せられる、ビルダーに是非お願いされると良いかなと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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