建築の舞台裏【大切な床下工事を解説】

こんにちは。建築屋kateiの朝倉です。

現場の進みとブログの進みがだいぶズレてきてしまっていますが、それを取り返すかのように今回もまとめてご紹介を致します。
建て方の後から、構造補強工事の内容を解説させていただきます

下の写真はホールダウン金物が設置してある様子です。この金物は基礎や梁と構造柱が抜けにくくなるようにする為の金物です。
これを取り付ける場所や数は構造計算等によってしっかりと確認を行います。

ホールダウン金物

基礎断熱の基礎立ち上がり部分の断熱を貼っていきます。

専用の接着剤を使って隙間ができないように貼っていきます。

基礎断熱の立ち上がり部分の断熱材

一部基礎の立ち上がり部分を四角に切り抜いてあるのは排水管等の貫通部分の防蟻処理をしっかりと行う為になります。

基礎断熱の防蟻対策のため、極力、水道管等のさや管スリーブは基礎底盤下を通すのではなく、基礎立ち上がり部分を貫通するようにしております。

基礎断熱

基礎断熱材は、建物の外周部の部分から90センチまで、スカート断熱(基礎ベースの上に部分貼り)するようにしています。

床の大引材を受けている鋼製束の部分は切り欠いて後にウレタンフォームで断熱補強をします。

断熱補強

今回は床下に設置する24時間換気設備の澄家(マーベックス社製)を採用するため、基礎立ち上がり部分に2箇所、約15センチの配管が通ります。

配管の周りには白蟻業者さんによる防蟻コーキングが施されます。

隙間なく責任施工で行なっていただきます。

防蟻コーキング

さらに防蟻コーキングを施した後、プラスで防蟻パテ材で補強します。

防蟻パテ

ホウ酸団子みたいな感じです。

防蟻パテ

基礎断熱を施工し、小さな隙間を防蟻処理が完了したら、全体的にホウ酸による防蟻処理を行なっていきます。

弊社の場合はホウ酸専門の防蟻業者さんに責任施工で依頼をしております。

施工範囲は床下全体、建物外周部の床上+1m、玄関・UB部分はその直上の梁までを処理していきます。

ホウ酸による防蟻処理

ちょっと湿った感じに見えますよね。

ホウ酸を採用している理由は、床下空間を利用した澄家と床下エアコンを採用する為になります。

いわゆる農薬系薬剤等の防蟻材では揮発性があり、人体に悪影響を及ぼしてしまう恐れがある為と、約5年程度で効果が切れてしまうので再施工をする必要がありますが、それは事実上不可能になります。

その点、ホウ酸処理であれば揮発性がほとんど無く、効果が半永久的に持続すると言われており、再施工の必要がありません。

まずは物理的に白蟻に入られない工夫が大切ですが、万が一の保険として床下空間を利用する設備を採用される際はホウ酸処理など、または外部を利用した処理方法をお勧めいたします。

床下

床下には給水管と給湯管のヘッダー配管を設置します。

ヘッダー配管とは長期優良住宅でも必須になってきますが、一本のメイン管からまとめて各方面に枝分かれをした配管の事で、メンテナンス等のやり変えが非常に容易になりますし、将来配管迷子になりません。

昔の住宅はほんとどこに水道管やらが埋まっているかが分かりませんからねー。。

給水・給湯管のヘッダー配管

電気屋さんが澄家の本体を設置してくれています。

でかいです。

床下の配管計画をしっかりしておかないと大変なことになります。汗

行き当たりばったりでは施工できんませんので、しっかりと準備をすることが大切です。

澄家の設置

こんな感じで綺麗に施工できました。

沢山配管があるように見えますが、構造は案外シンプルです。

澄家の配管

澄家の良いところは、室内への給気がダクトを経由せずに最小距離で床下全体に放出されることです。

これによって給気ダクト内の将来的な清掃問題等はほぼ解決できます。

さらには、給気フィルターが本体より外側(屋外)に設置されているのもとてもありがたいです。

給気ダクト

各部屋からの排気ダクトです。最終的には床上に出しますので、それまでは近くの床下に待機してもらいます。

ゴミが入らないようにしっかり養生です。

電気屋さんのこういう配慮、ほんとに嬉しいです。

いつもありがとうございます。

排気ダクト

基礎断熱を仕上げていきます。

断熱を切り欠いてあった部分はウレタンフォームで隙間を埋めていきます。

ウレタンフォームで隙間うめ

この機械はなんでしょうか?

基礎断熱を施工した際に注意をしなければならないのが、コンクリートからの湿気です。

コンクリートは施工後約半年〜1年程度は結構な量の水蒸気が発生します。

その為、床下の湿気をそのまま放っておくとカビが発生してしまったりと問題に発展するケースもあります。

そういった事を回避する為に、基礎断熱の場合は工事中床下に空気を循環させるための換気扇を設置しておきます。

基礎内の換気

以上、大切な床下工事の解説でした!

最後までご覧を頂きありがとうございました。

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