2022年9月7日

耐久力と意匠性のあるオススメの外壁材は?

こんにちは。建築屋kateiの朝倉です。

さて今回は、外壁の仕上げ工事の様子をご紹介したいと思います。

今回採用した外壁材は、高千穂シラスさんのそとん壁という商品です。

そとん壁は宮崎県の広大なシラス台地で取れるシラスを有効活用した外壁材。

種類としては左官塗壁材に分類されます。

シラスはいわゆる火山噴出物で、マグマセラミックという人工では作れない特異性をもった物質だそうです。

特徴は、紫外線に強く、色あせや劣化もほとんど無いこと。

実際に、古代イタリアでも同原料物質を宮殿などに使用して、今もその姿をとどめている程、耐久性があるそうです。

100%自然素材でコンセプトも素晴らしいので是非気になる方は高千穂シラスさんのホームページを一度ご覧下さい。

私がこの材料に出会ったのは以前の職場でのことです。

築約15年ほどの(当時設計事務所さんが施工された)物件のリフォーム工事を担当した際に、外壁材に採用されておりました。

その時は多少汚れはありましたが、本当に築15年かという程、素材自体には違和感は無く綺麗で感動を覚えた記憶があります。

何より風合いがあり、味が出ていて良い感じでした。

そしていつか自分の自宅にも採用したいと思ったのがきっかけです。

年数が経過して完璧に美化を保てる外壁材というのは存在せず、その耐久力は家のつくり(屋根の庇や軒の出があるか)も大きく関係していると考えております。

現に私がそとん壁に出会ったお家も軒の出がしっかりとあり、考えられている住宅でした。

前置きが長くなってしまいましたがそんなそとん壁の紹介になります。

そとん壁の施工工程は、正直非常に手間がかかります。

苦労した分いい感じなのですが、その分お値段ももちろんいい感じです。笑

まずはコチラ↓

以前にも紹介したことがありますが、ダイライトと呼ばれる耐震面材を壁一面に施工した様子になります。

続いてはコチラ↓

そのダイライトの上から透湿防水シートと呼ばれる雨仕舞いを施します。

白く見えている部分がそうです。

その上に通気胴縁を施工します。

これは壁体内などに入った湿気の一部を外へ逃したりする意味合いがあります。

続いてはコチラ↓

通気胴縁の上に下地板を打ち付けます。

これはこの後の工程、ラス網施工の下地になります。

多くはこの段階で化粧サイディングやガルバリウム鋼板などの外壁材の仕上げの段階になります。

そとん壁はまだまだここからです。

続いてはコチラ↓

先ほどの下地板の上に再度モルタル用の防水シートの施工を行います。

そしてその上にラス網と呼ばれる、ギザギザになった金網みたいなものを一枚一枚打ち付けて行きます。

このラス網の間にしっかりと左官材がめり込み、強度を上げることができます。

ここまで来ればいよいよそとん壁の出番です。

続いてはコチラです↓

そとん壁は下地用のシラス材と仕上用のシラス材との2部構成の材料になっております。

下地用のシラス材の方がより粒子が細かいそうで、外からの雨水を通さず防水性能に優れています。

上の写真はその下地用のシラス材を施工した様子です。

グレーの色をしており、いわゆるセメントみたいな見た目をしています。

こんな感じで白く乾くまでしっかりと養生期間をとります。

さていよいよ仕上工程に入ります。

続いてはコチラ↓

仕上げ材には自然顔料で着色がされております。

今回採用したのは人気カラーですが、茶系の色めです。

まず一定の厚みを塗った後にテクスチャーと言って何かしらのデザインを付けていきます。

今回使用したテクスチャーは【かき落とし】仕上げです。

1番オーソドックスですが、シンプルで飽きができにくく、個人的にも気に入ったデザインです。

剣山でゴシゴシ削って落としていきます。

ポロポロシラスが落ちますので落ちたシラスを集めて消臭剤にする人もいるそうですよ。

仕上がりはこんな感じです。↓

この素材感

サイディング材でもなく、塗装材でもなく、やっぱり左官材の良さですかね。

良い感じです。

人の手で施工するので若干のムラがあったり、でもダイナミックさがあったり自然素材の良さが際立っている印象です。

完璧に均一じゃないとダメだとかそういった細かい所が気になる方にはオススメできないかな。

まあどんな材料でもしっかりとメリットデメリットを理解する事は大切です。

今回は外壁材のそとん壁についてご紹介させて頂きました。

実物が気になる方や、もっと詳しく施工や価格の事について聞きたいと言った方は、是非お気軽にお問合せ下さい。

ご覧頂きありがとうございました。

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